2001年8月27日ホームページ掲載
『レーニンと労働組合』(呂嘉民著、土肥民雄訳、『労働通信』編集委員会) の学習会を山口県の労働通信の読者でひらいた。第一回目は5月12日、第二回は6月17日だった。
学習会には、化学、ゴム、セメント、百貨店、半導体の労働者が参加した。第一回目は、第一章から第三章まで、第二回目は、第四章から第七章までを学習した。
最初に、レジュメによって各章の要点について問題提起をおこなったあと、論議をおこなった。討論の内容は、参加した労働者が実際にぶつかっている問題とむすびつけたものとなった。
学習会でだされたおもな意見はつぎのようなものだった。
「日本でも、以前の労働組合は社会主義をめざすことを綱領にかかげていた。組合の図書部にはマルクスや組合の文献がおおくあったがいまはなくなっている。いまは、労組の役割が権利の問題だけにゆがめられている」。
「労組の役員選挙で不信任が増え20%にもなっている。みんな、信任票にいれないようにしようといっている」。
「ここ五年らいのグローバル化の波のなかで労働者の貧困化がはっきりしてきた。社会保障のきりすてにより生活の保証がなくなってきている。また将来のみとおしがつかないので不安がつよまっている。賃金すえおきで労働強化となっている。不安はみんなもっているが、要求化して運動化するということにならない。会社がつぶれたらこまるという意見がつよい。会社は手っとりばやくリストラをやる。労組をどうにか変えたいという意見がつよい」。
「会社は分社化、出向が増えており、定年者をプロパーとして安く使う。昨年末と年明けの2月にパートを全部きった」。
「会社は、中国の生産拠点や市場がなくなったらいきづまるほど中国への依存がつよくなっている」
「百貨店では洋服の売上目標が1日15万円、年間1000万円。以前とちがって客は母の日でも洋服を買わなくなっている」。
「会社の先ゆきについては見通しがつかないが、資本主義の危機との関係で理解させないといけない」。
「『レーニンと労働組合』を読んでみて、労働組合は権力奪取後も重要であることについてよくわかった。いま労組は『ものとり』だけで役にたたなくなっている。労組の役割について党と結合するという観点がなかった。党と労組との関係をアナキストは否定しているが、社会科学と労働運動の結合が重要だ」。
「以前は『失業と貧困のない社会』とよくいっていた。貧困化がすすんでいるが物より精神的な面での先ゆき不安をよく耳にする」。
「労働運動を発展させるうえで、進歩的な大学教官を組織して、理論的な面で労働運動に貢献してもらうことが必要だ」。
「経済主義ではプロレタリアートが人民と団結することができない」。
「グローバル化で世の中が激変するもとで、『レーニンと労働組合』の普及がけっこうできている。この間地域でとりくんできた労働者懇談会での交流で、どこの職場もみんなおなじようになっていることがつかめている」。
「賃金奴隷制を廃絶する意識をもった労働者をどれだけつくるかだ。話をすることは、みんな好きだ。そのなかで賃金奴隷制や資本主義の仕組みについて話していく。いまは話せば受け入れる素地がある」。
「第四章〜第七章を読んで、当時のロシアと今の日本との社会的意識のちがいがよくわかる」。
「ロシア革命後、労働者の創造する喜びを発動したということではないか。これなら日本でもやれると思う」。
「資本の危機イコール労働者の危機なのか。リストラで会社はつぶれなくて、つぶれたのはわたしらだ。危機をどう説明するかが問われてくる。市場競争が激化、労働者の地位は不安定になってきている。社会主義の展望を示すことだ」。
「危機の物質的条件と今日の到達段階を明らかにして、なぜこうなるのかを認識させることが求められている。社会的危機の進行で、自分だけでなく息子、親戚、身内のことを考えるようになってきている」。
「政府は、いまのデフレスパイレルで、企業が長く続くと思うな、年金があると思うな、退職金があると思うな、といっている。ここまではわっているが、それから先が分らない。そのことをみんなが知りたがっている」。
「セーフティネットの崩壊、将来の不安、失業の危機、闘いへの熟成度がましている。組合幹部も実際的な深刻さから下からつきあげれて真面目に考えるような層がでてきている」。
二回の学習会での討論は、『レーニンと労働組合』の内容そのものを深めるという点ではまだ不十分性があったが、参加者はひきつづき独習をして、適当な時期にまた学習会を設定して、内容を深めようということになった。