「
レーニンと労働組合」要点メモ
第6章 「労働組合問題論争」期間中におけるレーニンの社会主義の時期の労働組合理論にたいする全面的な発展 |
1920年11月、ロシア共産党内と労働組合内に空前の規模の労働組合問題にかんする論争がおこった。この論争のなかで、レーニンは、全面的かつきびしくトロツキー派、ブハーリン派の「緩衝派」、「民主主義的中央集権派」、「労働者反対派」、「イグナトフ派」などの諸派のあやった観点を批判し、社会主義の時期における労働組合理論、とりわけ「共産主義の学校」の理論を全面的に発展させた。
| 1.「労働組合論争」の原因 |
主要な要因=レーニンが「労働組合の国家化政策」を単独責任制にかえ、「共産主義の学校」理論を提起したこと。
*「左翼」労働組合指導者(トムスキー、シリャプニコフ等)→労働組合の管理権の回復を求める〜労働者反対派の形成
*トロツキー→過度の集中を要求(ゆすぶり政策)
| 2.「労働組合問題論争」の一般的過程 |
| 1920年3月 | ロシア共産党第9回大会、単独責任制と「共産主義の学校理論」を採択。労働組合論争がはじまる。 |
| 1920年夏 | 党内で「労働者反対派」が形成される |
| 1920年11月 | 労働組合第5回全ロシア大会、「左翼」労働組合指導者とトロツキー派が激突 |
| 1920年11月 | ロシア共産党中央委員会、労働組合問題を討議 |
| 1920年12月 | トロツキーの「ゆすぶり」政策のもとで運輸労働組合中央委員会と河川輸送組合員のあいだで衝突 |
| 1920年12月 | ロシア共産党中央委員会、労働組合問題の意見の不一致を解決できず、論争を公開。「緩衝派」の形成 |
| 1920年12月 | 第8回ソビエト大会の党員代表、労働組合全ロシア中央評議会の党員評議員、モスクワ県労働組合評議会の党員評議員の合同会議で全面的な論争 |
| 1921年1月 | ペテルブルグ党組織、トロツキーの観点を批判する「全党に告げる書」を決議 |
| 1921年1月 | 党モスクワ委員会、「全党に告げる書」を批判 |
| 1921年1月 | ロシア共産党中央委員会、モスクワ委員会の決議を採択。完全な自由論争をおこなうことに同意。以後、各派が自己の綱領をぞくぞくと発表 |
| 1921年1月 | 党モスクワ県委員会、レーニンの政綱を全党が支持するようよびかけ |
| 1921年3月 |
ロシア共産党第10回大会、レーニンの「労働組合の役割と任務」を採択
レーニン派(「十人政綱」) 336票 「トロツキー・ブハーリン連合政綱」 50票 労働者反対派 18票 |
★レーニンは、労働者反対派の主張が、労働組合主義と無政府主義であると主張し、これとの党争をよびかけると同時に、
労働者反対派が提起した健康なもの
を吸収。
レーニンが吸収しようとした労働者反対派の主張= 「非プロレタリア的な、信頼のおけない分子の党からの粛清、官僚主義との闘争、民主主義や労働者の自主的活動の発展・・・」
| 1.労働組合の主要な任務と役割の問題は「労働組合論争」の核心である |
トロツキー派、労働者反対派、民主主義的中央集権派、イグナトフ派など各派の主要な意図は、労働組合の国家化政策を回復させることであった。
| 2.反対派の労働組合の任務と役割の面でのあやまった観点にたいするレーニンの批判 |
各派はロシア共産党第8回大会(1919年3月)の党綱領経済部分の第5項を根拠として持論を展開。これにたいして、レーニンは以下のような批判を展開
| 3.労働組合の主要な任務は管理に参加することと、広範な労働者を結集して管理を学ばせ、管理に参加させることである |
労働組合論争のなかで、レーニンは労働組合の長期目標だけでなく、社会主義の時期における労働組合の主要な任務をいっそう明確に。
| 1.レーニンの社会主義の時期における労働組合の性質にかんする理論の形成 |
★1919年1月 労働組合第2回大会
レーニン:労働組合の性質は「階級的規模でのプロレタリアートのもっとも広範な組織」と規定〜労働組合の階級性と大衆性を確定
しかし、労働組合に生産組織者=行政的性質も加える
★1920年3月 「共産主義における『左翼主義』小児病
レーニン:労働組合は「形式上は共産主義的でない、弾力性のある、比較的にひろい、プロレタリア的な機構」と規定〜党組織と労働組合の境界を区別
労働組合と国家の性質をただしく区分する前提をつくりだす
★1920年末〜 労働組合論争
レーニン:トロツキーの「ゆすぶり」政策、「生産者労働組合」論との批判のなかで、はじめて労働組合が国家組織ではないことを明確に提起
〜労働組合が国家組織でない原因=労働組合がさまざまな自覚の程度の異なる、文化的レベルのことなる労働者全体を包括する特殊な組織である〜
| 2.「労働組合はあらゆる側面からみても学校である」 |
労働組合=共産主義の学校理論は、労働組合は国家機関であるとの観点の徹底的否定であることを各派は理解していなかった
労働組合論争は、労働組合の任務、性質だけでなく、党、国家組織における労働組合の地位とのかかわっていた。
レーニンは、プロレタリアート独裁の体系についての理論を創設する
| 1.「プロレタリアート独裁の体系」にかんするレーニンの理論の形成 |
★マルクス主義のプロレタリアート独裁学説と国家学説にたいする重大な発展
★プロレタリアート独裁の体系の主体構造
| 2.プロレタリアート独裁の体系のなかにおける労働組合の地位 |
活動方法の問題は、労働組合が真に党、国家と大衆とを結びつける伝統装置になれるか、真に共産主義の学校になれるかにかかわる重要な問題。
| 1.レーニンによるトロツキーの「ゆすぶり」政策への批判 |
★トロツキーは、連合国の武力攻撃粉砕後も、労働組合の軍事化を主張(ゆすぶり政策)
★レーニンはトロツキーのゆすぶり政策を批判
| 2.説得と教育と民主主義の実行は労働組合の主要な活動方法である |
労働組合のもっとも主要な活動方法
社会主義のもとで労働組合は労働者の利益をまもる機能があるのかどうかも論争の一つのテーマ。
| 1.労働者階級の利益を保護することが社会主義の時期における労働組合が存在する重要な基礎である |
★トロツキー:社会主義のもとでは、「ブルジョア社会における労働組合の本質的なものは、すでにその意義を失った」「労働組合を事実上生産の組織にかえること」「計画的に労働組合を労働者国家の機関にかえなければならない」と主張
★レーニン:「わが国の国家は、官僚主義的にゆがめられた労働者国家である」「「労働組合は階級的経済闘争という基礎を失いはしたが、ソビエト機構の官僚主義的歪曲との闘争という意味で、ソビエト機構の手におよばない方法と手段によって勤労大衆の物質的・精神的利益を保護する等等の意味で、非階級的経済闘争という基礎を決して失いはしなかった」と提起
| 2.労働組合が国家管理に参加し、労働者大衆を結集して管理の参加させることは、国家機能のなかの官僚主義を克服する主要な方法である |
★レーニン:「労働組合が経済の運営に参加し、広範な大衆をそれにひきいれることは、同時にソビエト権力の経済機関の官僚主義かとたたかう主要な手段でもあり、生産の結果に、真に人民的な統制をくわえる可能性をもたらす」
〜ソビエトにおける官僚主義の主要な要因は広範な大衆に文化と管理能力が欠けていること→有効な監督をおこなえない〜
| 3.「二つの保護」は、労働組合が保護機能を実行する主要な原則である |
★レーニン:労働組合には「二つの保護」機能があると主張
「労働組合国家融合論」=労働組合が長期の目標を実現するための具体的道筋
〜社会主義国の政治体制改革にとってマクロ的な指導的意義をもっている〜(著者の呂嘉民氏の評価)
| 1.「労働組合国家融合論」の提起 |
★前提条件
レーニンは、労働組合が将来目標を実現するための処置として、一部の労働組合と国家機関の幹部が二つの指導的役職を兼任するように配置することを提起。
★ロゾフスキーが最初に労働組合国家融合論を提起
1920年後半 「ソビエト・ロシアの労働組合」(小冊子)
★この理論のなかの斬新さ(呂嘉民氏の評価)
| 2.トロツキーの「労働組合国家結合論」およびこの理論にたいするレーニンの批判 |
★トロツキーは、ロゾフスキーの理論を「吸収」し、組合主義的な「労働組合国家結合論」に改造
★レーニンのトロツキー「結合論」批判
| 3.レーニンの「労働組合国家融合論」およびその主要な内容 |
<重要!!> @とA→労働組合の国家化、国家消滅と共産主義的自治を実現するもっとも基本的条件と施策。
| 4.労働組合は一部の国家機能をになうべきであり、また段取りをおって、慎重に国家機能をになう範囲を拡大しなければならない |
★レーニンは、労働組合が一部の国家機能を担うことを決して否定しなかった。
賃金基準の規定、労働者の供給、労働規律の執行、労働保護の主管など
★それにとどまらず、労働組合はみずからの力がおよぶところのあたらしい国家機能をになうべきだと考える。
生産の宣伝面での活動・・・・など
★労働組合と国家が完全に一つに融合するとき、労働組合は「国家化」を実現し、国家も労働組合化と大衆化を実現し、労働組合は労働組合でなくなり、国家も国家でなくなる。
〜@そのために管理を学び、管理に参加すること
〜A高度なプロレタリア民主主義を実行すること、は不可欠の条件
★国家は消滅し、労働組合は自由で平等な生産者全体の自治連合体とかわり、真の共産主義自治あるいは完全な人民の自治が人人の前にあらわれる。
〜共産主義自治、社会がいかにして国家権力を回収していくかの道筋をしめす〜
各社会主義国の労働者階級が偉大な歴史的使命を実現する強大な思想的武器(呂嘉民氏はこの点をとくに強調)
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