資料からみる中小企業の実態

経営努力しても金融面で足かせ

『労働通信』2003年7月号

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 中小企業の経営状態が危機的な状況であることは、マスコミ報道などで周知のとおりである。このような状況が労働者におよぼす影響はどのようなものだろうか。そのような状況になるようにしむけられた小泉改革は労働者にとって悲劇的な生活をしいるものでしかない。

 中小企業で働く労働者の割合は従業員一〇〇人未満の企業が六五%以上をしめている。五〇〇人未満の企業では実に八〇%以上である。いわゆる五〇〇人以上の大企業で働くものは二〇%程度となる。この割合をみると日本中の大部分の労働者が働く中小企業の経営が悪化するということは日本の大部分の労働者の生活をおびやかすということにつながる。本紙記事でも紹介しているように、経営が悪化すると企業モラルが低下し労働条件が低下する。最後には解雇、倒産という結末が待っているのである。日本の失業率が五%を超えてひさしいが、図1(地域別完全失業率の推移)を見ると、中小企業の集中する地域、とくに近畿、九州・沖縄、北海道の失業率が上位を占めていることがうかがえる。

 中小企業の経営者や労働者も指をくわえてこの状況に甘んじているわけではない。高度な技術やノウハウで巻き返しをはかろうと努力しているものもいるし、それをバックアップする政府の「中小企業経営革新」施策もそれなりに拡充している。

 しかし他方で、小泉改革の金融政策の影響による銀行の貸し渋りは、中小企業をもろに直撃している。図2(メインバンクから貸してもらえなかった企業の割合)をご覧いただきたい。これを見ると規模の小さい企業ほどメインバンクからの貸し入れを拒否されていることが分かる。

 一方、図3(悪化が続く中小企業の資金繰り)をご覧いただくとわかるように大企業の資金繰りは中小企業に比べ断然有利になっている。さらに不良債権処理の一環として、中小企業への貸しはがしも横行しており企業活動そのものが継続不可能な状態に仕向けられているのである。これでは、中小企業の経営者や労働者が、努力して経営の健全化をはかろうとしても報われない状況である。

 竹中金融担当大臣は景気回復という目的で不良債権処理をおこなっているというが、現実には日本のほとんどの労働者が働く中小企業を窮地におとしいれ、おおくの労働者とその家族の生活を不安定にし、ますます個人消費を冷えさせ、景気を悪化させているのである。かれらは、こんなペテンで国民をだまそうとしているのである。小泉改革のすべての政策目的は、莫大な利益を生み出す大企業を徹底的に保護し、背後でその利益を吸いあげている巨大資本へより多くの利益をもたらすためだけのものである。そのためには、利益効率の良くない中小企業への資金をより利益を生み出す大企業にシフトすることを目論んでいる。中小企業を切り捨て、そこで働く労働者の生活を破壊してもやむを得ないということである。

 私たちは、あらゆる錦色の言葉で飾られた小泉の金融政策をはじめとする反動政策に対して、いったい誰のための政策なのかをはっきりと見極める必要がある。

(グラフは二〇〇三年版「中小企業白書」より作成)

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