労働通信2002年7月号
有事関連法案が二〇〇二年の通常国会後半の焦点となるなか、六月の会期末にむけて法案の廃案を求めて全国各地で有事法制化反対の集会があいついで開催された。
六月一六日、東京・渋谷区の代々木公園で「STOP! 有事法制6・?16?全国大集会」がひらかれ、約六万人が総結集した。
この集会は、有事法制化に反対して四月一九日に「STOP! 有事法制4・?19?大集会」を開催した「平和を実現するキリスト者ネット」「日本山妙法寺」と「陸海空港湾労組二〇団体」が継続的な運動をめざして、「STOP! 有事法制5・?24?大集会」にひきつづいて開催したもの。参加者も、4・?19?集会の五〇〇〇人から、5・?24?集会の四万人、そして今回の6・?16?集会の六万人へとひろがってきている。
集会では、「3年B組金八先生」の脚本家である小山内美江子さんが、「国民を守らない有事法制や、政府に都合のわるいことをかくすメディア規制法案には反対です」と訴えた。高校生二年生の白木まほさんは「夢も家族も奪う戦争はしたくない。戦争への道を開く法案には反対」と発言した。日本弁護士連合会の伊礼勇吉副会長は、「日弁連はめったなことで一つの法律に態度を表明しないが、今回の有事法制は許されないとなった」と発言した。
政党からは、共産党の志位和夫委員長、社民党の土井たか子党首、民主党の生方幸夫衆院議員が発言。 労働戦線からは、全労連の小林洋二議長が、「労働者は戦争に協力しない。労働組合の共同は大きく広がっている。法案阻止へ労働者もがんばります」と決意を表明した。
六月八日午後二時より大阪・扇町公園で「有事法制の廃案を要求する関西集会」が開催された。
近畿各地から、労働組合をはじめ市民団体、学生など五○をこえる団体が集まり一万人以上の集会となった。
集会では、主催者より「有事法制はあきらかに戦争法であり、国民の生活をまもるものではない」「防衛庁のリスト作成問題や福田官房長官の非核三原則見直し発言などゆゆしき事態になっている」「有事法案は修正ではなく絶対に廃案にしなければならない」ということが強調された。
情勢報告では、世界的な核軍縮・核廃絶の世論のなかで、ふたたび米国が臨界前核実験をおこなったことを報告し、ブッシュ政権を非難した。そして有事法制の本質として、@米国に協力し集団的自衛権を発動し、後方支援ではなく前面にでるためのものである A内閣の権限を強化し、公共機関、国民を総動員させるものである B日本の平和憲法を破壊し、アジアにおける軍事緊張をたかめるものである、ということが強調された。しかしながら、このような情勢のもとでも三○以上の地方議会が有事法案の撤回要求を決議したという心強い報告もされた。
沖縄の代表は、「戦争はいきなりやってこない。まず、用意周到な法律の整備からおこなわれる」ということを強調し、周辺事態法や盗聴法、国旗・国歌法などちゃくちゃくとそれがすすんでおり、すべての国民の衣食住や人的資源を国家が統制する整備がすすんでいると発言した。また、みずから沖縄戦を体験した経験を話され、二度と同じあやまちを犯してはならないというアピールをおこなった。
参加者からは、「いま、教育現場でも日の丸・君が代強制問題などじょじょにではあるが軍国主義の足音がきこえつつある。有事法制をゆるしてしまえばこの事態はさらに加速するであろう」(教員)という意見や、「むずかしいことはわからないが戦争中に生まれたものの直感でこの法案は危険だと感じ、反対している」(民間労働者)など、さまざまな思いを胸に有事法案に反対の声があがった。
集会は、最後に有事法案の国会での廃案を要求する決議文を採択し、それぞれの思いをえがいたプラカードや横断幕をかかげ、御堂筋を難波までデモ行進して終了した。
六月一五日にも大阪・扇町公園で、「STOP有事法! 戦争はいやや6・?15?市民のつどい」が、同実行委員会主催でおこなわれた。かんかん照りの広い公園内では、木陰に避難する一般参加者と、暑さを我慢して壇上前で隊列をみださない労働組合員や市民団体参加者が多数(おおよそ一三〇〇人)あつまって、発言や歌に聞きいっていた。
主催者代表は、「アメリカの戦争の一翼をになうのが有事関連法案であり、無条件で市民を戦争にかりだそうとするこの悪法をなんとしても廃案に追いこまねばならない。そのため、私たちの力を精一杯示していこう」とあいさつした。
そのあと、つぎつぎに市民運動家、地域連絡会、労働組合、反戦バンドグループ、学生などがそれぞれの立場からアピールをおこなった。
参加していた民間企業の全国一般の組合員は、「今国会で関連法案がながれる可能性があるが、先月末からの東京や大阪での反対集会の影響もあると思う。民衆の力がもっと必要だ。しかし有事法に賛成という者は職場にはいないが、残念ながらあまり関心をしめさない人がおおい。有事法より雇用や賃金となっているが、しかたがないとおもう。組合運動のむずかしさがいまあるが、どうすれば乗り越えられるのかわからない」といっていた。
べつの女性パート労働者は、「知人からきいて参加した。職場ではいそがしくてこのような話はできないが、やはり反対していかねば国がどのようになるのか不安。家庭でこのような話をすれば息子は『戦争にならないと思う』といっているが、わかっているのかなと感じる。ほんとうはもっと力のある団体がしんけんにうごいてくれればいいのだけれど、一人一人が反対の意志をだして世論をもりあげていくことが大事かなとおもう」と汗をふきながら話してくれた。
一時間四〇分経過して集会決議を採択し、実行委員会が集会まとめを「今回職場からも、地域からもおおきなうねりとなって、小泉を追いこんでいる事実を確認したい。市民、労働者それぞれのたたかいかたで有事法制、戦争政策を粉砕していこう」とむすんだ。
そのあと大阪市役所前までデモ行進を貫徹した。