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『労働通信』2001年7月号


戦争をあおる「つくる会」歴史・公民教科書NO! を大阪市に申し入れ

子ども達の人権と教育を考える大阪市ネットワーク
笠松 正俊

 二〇〇二年四月から使用の教科書について、子どもたちに戦争をあおる「新しい歴史教科書をつくる会」中学「歴史」「公民」教科書の採択をめぐって、重要な局面を迎えました。大阪市でも六月一三日から各区図書館で教科書展示が始まり、七月末の教育委員会での採択に向けて選定作業がつづいています。文部科学省の検定をなれあいで通過した「つくる会」は、各地の教育委員に直接資料を送るなどして採択の圧力をかけています。

 私たち大阪ネットワークは、五月三〇日に大阪市教育委員会に「つくる会版は採択するな」の要請書を提出し、一八人が参加して教育委員会と一時間半の交渉をもちました。そのなかで文部科学省の指示通り五月の会議で「教科書選定委員会要綱」をすでに改悪し、学校現場代表などでの選定をやめて、教育委員会(五人)での選定に制度を変えていることも判明しました。大阪市教育委員会自身が三月に発行した、「学校園における平和に関する指導」なる文書で「第二次世界大戦でわが国は多くの人命と財産を失った。また一方で植民地と侵略により近隣諸国におおきな損害と苦痛を与えた」と記載してることと照らして、「つくる会」版教科書は採択するなとの表明をせまった結果、私たちの質問書に対しては「検討して改めて回答する」との確認になりました。

 一昨年の国旗・国歌法の強行後、卒業式などでの日の丸の掲揚と君が代の斉唱の強制がさらにひどくなりました。これまでから学校ごとに校長に反対を申し入れてきた保護者はいましたが、この二年間で各地域での教職員も含めたつながりが広がり、個人参加のかたちの市民運動として、大阪市ネットワークを結成しました。当初は「日の丸・君が代強制反対」での対市教委申し入れを予定していたのですが、「つくる会」教科書問題が急展開するなかで今回の対市行動となりました。

 来年四月からの学校完全五日制スタートのなかで、学校教育についても新自由主義の規制緩和、公教育の解体と民営化路線を進もうとしています。「自由競争」でのエリートづくりにつながらない教育にはお金をかけない、という子どもにたいする切り捨てです。そういってしまうと露骨なので、政府はそれを「教育改革」といい、「地域に開かれた教育」を宣伝していますが、その「地域」とはもちろん、大阪市でいえば連合町会や地区の社会福祉協議会などの行政に直結する一部のひとのことです。子どもとおとなが毎日生活している地域のつながりのなかから、直接学校や行政に要求を出していくこの「大阪ネットワーク」の活動は、それを批判し、平和な生活と人権を核にした学校教育を地域から創り出していく力に発展していけると思って、保護者、市民、教職員がともに活動を続けています。

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