『労働通信』2001年5月号
『労働通信』編集委員会は、昨年8月、『レーニンと労働組合』(呂嘉民著、土肥民雄訳)を出版し、1年たらずのうちに、労働運動の活動家を中心に日本社会の変革をめざす各界の人人のなかから、予想以上の反響をいただいています。
『労働通信』編集委員会は、ひきつづいて『変貌する現代資本主義とその歴史的運命(仮題)』
本書の著者である施鳳江氏と王新農氏は、中国天津大学の教授です。施氏は、本書の日本語版の発行について、つぎのように訳者に語っています。
「資本主義の自由主義的発展期に、マルクスとエンゲルスは、イギリスの資本主義を具体的に研究、分析し、ブルジョア経済学を批判的に継承し、労作『資本論』を書きあげ、科学的なマルクス主義経済学を確立し、世界のプロレタリアートの革命闘争をみちびきました。資本主義の帝国主義段階に、レーニンはヨーロッパやアメリカの帝国主義を概観し、マルクス主義経済学を発展させ、『帝国主義論』を書きおろし、ロシア社会主義革命を勝利に導き、世界革命を推進しました。しかし、レーニン死後、とくに第二次世界大戦以後、現代資本主義が大きく変貌し、重大な発展をとげたにもかかわらず、現代資本主義を体系的に分析し、マルクス主義経済学を発展させる理論を創出しないまま、こんにちにきた状況となっています。革命的な理論だけが革命的な実践を導くとよくいわれますが、現代資本主義にたいする認識の立ち遅れ、停滞、混乱は、東欧・ソ連における一連の社会主義の崩壊、世界の労働運動の停滞を生み、革命運動における戦略、戦術の誤りを生じさせている重要な一因となったと思います。本書は、中国の特色をもつ社会主義建設の事業をおしすすめるために、その外的条件、すなわち現代資本主義の問題をとりあげました。ほんらいなら、このような作業は、先進資本主義諸国の革命的なインテリゲンチャとの共同作業でなければなりませんが、まだそうなっていないので、資料の不足、分析の不正確、一面性は避けられません。しかし、あえて一石を投じて、この共同作業の推進をよびかけたいと思います」。
日本の労働運動や、学術界の現状を見れば、この著者の言葉は、意味深いものがあります。
本書は、戦後現代資本主義にあらわれる国家独占資本主義の発展、あたらしい科学技術の発展、現代資本主義の私的所有構造と企業制度の変化、現代資本主義の経済運営と国家関与、現代資本主義のおもな経済理論と経済体制モデル、現代資本主義の所得再配分と社会保障制度、現代資本主義諸国の対外経済関係を具体的にかつ全面的に分析し、現代資本主義の階級構造と上部構造の変化、現代資本主義発展の歴史的すう勢を研究しています。
もとより、現代資本主義の分析は、なによりも先進資本主義国の研究者や労働者が主体的にになわなければならない任務です。本書の出版は、その活動を発展させるとともに、現代資本主義分析のための国際的な協力をうながし、こんにちの世界と日本の労働運動の発展に貢献することを目的にしています。
「労働通信」編集委員会は、本書の正式出版の前に、刊行プロジェクト事業として本書の仮訳版(リソグラフによる簡易印刷版とCD―ROM版)を限定発行し、希望される研究者、労働運動活動家のみなさんに有料配布(3000円)し、助言をいただきたいと考えています。おおくのみなさんがこのプロジェクトにご参加いただき、助言および本書の正式の出版、普及活動に積極的にご協力いただくようお願いするものです。
2001年5月
『労働通信』編集委員会
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