『労働通信』2000年7月号
第42回衆議院議員総選挙が終了した。結果は、自民党は38議席を減らして233議席に、公明党は11議席減らして31議席に、保守党は11議席減らして7議席と連立与党は60議席減少した。
一方野党は、民主党が127議席と32議席増。自由党は22議席と4議席増。「共産」党は20議席と6議席減。社民党は19議席と5議席増となった。
この数字をみても、森首相を中心とする内閣が安定過半数をしたとはいえ、おおくの勤労人民から愛想をつかされていることがあきらかになった。
森総裁は、「安定過半数をとった。国民の信任をえた」としているが、実際はこの発言とまったく正反対である。
今回の選挙ほど争点が不鮮明な選挙はなかった。連立与党は、「政権の枠組みをしめせ」とか「公共事業の前倒しによる景気回復」と主張。野党は、「ばらまき予算反対。銀行救済より福祉」などを宣伝してきた。
しかし昨年からの国会の法案審議をみればどうだろうか?
国旗・国歌法案、日米ガイドライン、商法の改正、厚生年金法の改正などは、野党の民主党も賛成した。民主党は選挙の政策で、低所得者層に増税となる課税最低限のひきさげを主張していた。
政府提出法案にことごとく反対した「共産党」も、いざ選挙となると、「大企業は敵ではない」「資本主義のもとでの民主的改革」といってはばからない。つまりなんだかんだといっても、資本主義経済体制の枠はくずさないということだ。
それが選挙のときだけ、「自分たちは与党の政策とはちがう」と宣伝したところで、おおくの労働者は、「いまさらなにをいってるんだ」ということになるだろう。今回の選挙結果をみれば、衆議院で単独過半数をもっていた自民党は、過半数われ。連立に協力した公明、保守は減少、「躍進した」といわれる民主党も過半数をとれない。「政府の方針に反対した」共産党も減少。つまり「大勝利した」政党はない。
それは、おおくの労働者・勤労者が小渕・森内閣の政策に反対の意志を表示し、「野党に全面的に期待はできないが、いまのままではだめだ」として、民主党をはじめとする野党への批判的投票をおこなうなど、労働者の健全な意識がはたらいたことをあらわしている。
リストラ「合理化」の嵐がふきあれ、商法の改正や、民事再生法の成立などで、資本の「規制緩和・リストラ」の攻撃はますますつよまっている。
しかし労働者や労働組合もやられっぱなしではない。
厚生年金法の改正問題では、連合、全労連などが所属組合の枠をこえて、国会前ですわりこんだ。
これにたいして、自民党は組合費のチェックオフ廃止をもちだして、労働組合に露骨に敵対した。「規制緩和・グローバル化」に反対する行動が全国ではじまりつつある。
安定過半数をとったといえ、森内閣の政局運営はひじょうにきびしく、政局がさらに流動化する可能性がある。労働者自身が労働組合の組織を活用し、広範な勤労者とともに政府の反動政策と対決することでしか、展望はきりひらけない。職場からの労組運動をもりあげ、森内閣を追いこんでいこう!
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