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業の破壊は人類の滅亡につながる
山口県弥富で農業問題講演会

『労働通信』2000年1月号

 

 12月9日、山口県須佐町弥富の須佐町交流促進センターで、山口阿武農協・同河北柚部会・須佐町・田万川町の共催により、山口大学農学部の日下達郎教授をまねいて「食糧・環境・人口増加等の事情と農村の役割」と題して講演会がもたれた。会場には約130人がつめかけた。

 講演では、日下教授が、@農地面積の減少、A水資源の枯渇、B世界人口の増加、C食糧の供給と分配、D人間社会の調和と変調、E農村社会の役割、F私の考え、について地図、表、写真などをつかってつぎのように説明した。

 統計的にみれば、世界には15億ヘクタールの農地があるが、毎年2000万ヘクタールの農地がなくなっている。70年もすると世界の農地がなくなる計算になる。

 世界の人口は年間8700万人ふえており、このまま推移すれば2050年には89億人となり、世界的に食糧供給はたいへんな問題になる。

 日本は、食糧自給率がコメが100%以外はほとんど他国に依存している。農地でいえば、日本の3倍ちかいものを海外に依存していることになる。現在の日本の自給率は6000万〜7000万人しかやしなえない。

 現状の放置は人類の滅亡につながる。将来、ばらばらの農家を集団化し、空気、水、土地、緑は人類の宝として管理していくことが必要だ。

農村の実態が続出

 午後の討論では、参加者もまじえてつぎのような意見がだされた。

*WTO(世界貿易機関)は強いものがちで、しかも農産物を商品として売買することが問題である。遺伝子組み替え食品は外国が戦略的にすすめているが、これは必要な農産物としてではなく、工業製品としてうりだされており、しかも安全性は疑問である。

*基盤整備のカネをはらうのに、40万円、50万円いるが、収入がないので払うことができない。共同なので払わないとみなに迷惑をかけるので、全国的には自殺者がおおくでている。

*農村の現状は、所得がない、若者がでていく、学校がつぶれる、専業は皆無だ。どうするか、所得をふやすことが中心問題となっている。

*戦前は平均作物は五反で、換金作物として「みつまた」をうえていた。戦後は椎茸をつくり、県下トップをしめたときもある。いまや中国から輸入して1パック45円か50円だ。われわれは100円をわったら採算があわない。政府が価格補償をしないかぎり市場原理ではやりきれん。

 さいごにまとめとして日下教授は、「こんにちの農業は正解がないからここまできている。いまみなさんがやっていることをつづけることが正解につながり、進歩につながると思う」とむすんだ。

 

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